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Last modified 2007/05/05
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ウエンジと欅のシフトノブ(2005)製作工程

■材料の準備。東急ハンズで購入した銘木ブロックを貼り合わせる。黄色部分はケヤキ。 ニレ科ケヤキ属の落葉広葉樹。我が国広葉樹の なかで第一の良材として古くから建築材、家具材として幅広く用いられる。 特に寺社建築に重用されたり、農家の大黒柱としても用いられた。 排気ガスにも強く街路樹の 代表的存在。黒色部分はウエンジ。マメ科の広葉樹。アジア産のものはタイ、ビルマ。アフリカ 産のものはザイールに多く産する。木質は重硬かつ強靭。 耐久性は非常に高く、シロアリの虫害にも強い。 高級家具、飾り棚、 など装飾的な用途に用いられる。
その2種類を装飾的な狙いで交互に木工ボンド( 酢酸ビニル系)で貼り合わせ、Fクランプで力の限り締め上げる。この状態で最低一週間放置する。

■荒取り。狙いの寸法にのこぎりで荒取りする。サンプルのアルミ製シフトの部の外径が30mmなので 35mm〜40mmにカットする。材料が小さく手で保持すると危険なので、Fクランプで作業台に固定する。



■大荒加工。旋盤にセットし、円柱に加工する。旋盤へのセットは通常の三つ爪チャックでは把持 できないため、10mmの木工ドリルでセンター加工後、ドリルを旋盤にチャックさせ材料を回転させる。



■加工開始時の騒音(角部の衝撃音)を下げるため面取りカンナで面取りを施す。



■一旦、円柱状に加工完了。横にあるのはアルミ製のサンプル。



■ねじ部の加工。φ15mmの真鍮丸棒を使う。フランジ部を残し外径φ13mmに加工。シフトノブ本体の穴側は木工ドリルφ13mmで加工するため精度が怪しいので、真鍮丸棒の外形は13.1mm程度で仕上げておく。 写真はねじ加工の様子。M10X1.25のタップを旋盤の心押し台側にセットし、材料を手で回して加工する。



■形状加工。剣バイトで送りをフィーリングで調整しながら自由形状を形成していく。この時は、 メスねじ加工した真鍮丸棒をアッシー状態とし、ねじ込んだM10オスねじを三つ爪チャックに把持して 旋盤加工することで、ねじ部と木製部分の芯をあわすことができる。



■仕上げ。サンドペーパで形状を整え、表面を仕上げる。#120、#240、#300、#600、#1000の順番で 仕上げて光沢を出していく。この時は必ず防塵マスクをする。



■表面処理。木目を生かすオイルフィニッシュとする。オイルは荏油(えあぶら)。 紫蘇(しそ)科の一年草、荏胡麻(えごま)の実から 採った100%植物油の艶出し油。有害な石油系の化学物質や防腐剤、及び重金属などは含まず、安全。


■完成。まずマイカーに装着。ATはねじがM8X1.25のためマッチせずがっかり。ロッド部分が多 く露出し、とてもかっこ悪い。



次に発注者のロードスターに装着。ちょっとケヤキの黄色が派手だったか。 やはりアルミのほうがかっこいい。



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